レポート テーマ『プロ直伝!美味しさそのまま冷凍術』

残った食材や特売日にまとめ買いした食材は、味や質を落とすことなく上手に冷凍保存したいものです。
そこで今回は、当サイトの知りたいランキングや
レシピコーナーでもお馴染みのフードコンサルタント、
初鍬一(ういくわはじめ)先生に、プロが実践する上手な冷凍方法を伺いました。
- まず、冷凍庫の上手な使い方について
- 冷凍庫は中のモノを出し入れする際、冷気が外に逃げてしまい、同時に外の暖かい空気が中に侵入するため、冷凍庫内の温度は一瞬にして上昇してしまいます。この空気の流れによる温度の上昇が冷凍庫にとっては最大の敵といえます。これを防ぐためにも冷凍庫の中は目一杯詰まっているのが理想的です。冷凍庫の中は、凍った食品自体が保冷剤の役割をするため、中のモノがギッシリ詰まっていた方が開け閉めしても温度が変わりにくく食品の保存にはいいのです。それほど詰めるものがない場合は、水が入ったペットボトルを入れておきましょう。凍ったペットボトルが保冷材の役割をしてくれます。
- プロの冷凍方法について
- ホテルの厨房などでは、食材をビニールに入れ真空状態にしてから急速冷凍機に入れ冷凍します。この急速冷凍機にはアルコールが入っているのですが、アルコールはマイナス110度になるまで凍らないことから、強く冷やしたアルコールに直接漬けることで、冷気の約20倍の速さで凍らせることができます。このことにより、旨味や栄養を壊すことなく一瞬にして食材を凍らせることができるんです。この冷凍機を使うと、約3分で食材はカチカチになります。
- 食材を凍らせるスピードについて
- 食材を冷凍する際、冷凍スピードが遅いとドリップと呼ばれる液体が出てしまいます。ドリップの中にはアミノ酸やイノシン酸など食品の美味しさがタップリ含まれているのですが、これが流れ出てしまうと食材の味を大きく損ねてしまいます。冷凍する時に食品の細胞が最も壊れやすい温度はマイナス1〜5度の間といわれていますが、この温度帯をいかに速く通り過ぎるかが食品をおいしく冷凍する秘訣なんです。
- 家庭で食材を急速に冷凍するには
- 一般家庭の冷凍庫でも、この急速冷凍の重要性が注目されて、近年の冷凍庫では金属製の板を入れることで急速冷凍を実現しています。金属製の板が冷気をたくわえて冷凍スピードを大幅にアップさせているんです。
この金属板がついていない冷凍庫なら、お煎餅やお菓子が入っている金属製のフタの板を1枚冷凍庫に入れて、その上に食材を置くことで冷凍スピードを格段にアップすることができます。
- お肉の上手な冷凍方法は
- まず、必ずお肉をパックから出します。お店で売っているパックの肉はラップと肉の間に隙間があり、そのまま冷凍すると中の空気で肉が酸化して質が落ち、美味しくなくなってしまうんです。美味しく冷凍するには、お肉をパックから出して1回に使う量ごとに分け、手で薄く伸ばして空気が入らないように注意しながら隙間なく丁寧にラップに包んでください。ただ、ラップだけでは微量ながら空気を通してしまいますので、保存袋に入れ密閉して冷凍します。
保存袋がない場合は新聞紙に巻いて冷凍します。新聞紙は通気性が悪く、
保存袋の代わりになるんです。
- お肉の上手な解凍方法は
- お肉を解凍する際に最も気を付けなければいけないのが急激な温度差です。急な温度変化はお肉の細胞を壊してしまいます。それを防ぐには冷凍庫との温度差が少ない冷蔵庫で完全解凍します。中でも冷蔵庫の一番下の段は冷気がたまりやすく温度差が少ないので最適です。
流水や電子レンジなどで強制解凍した肉や、半解凍した肉をそのまま調理に使うと、肉がパサついたり硬くなってしまい、不味くなる原因になります。
- 魚の上手な冷凍方法は
- 水分が多い魚は、1匹丸ごと冷凍すると凍った水分が魚の身を崩してしまいます。魚は3枚におろしてから冷凍するのがポイントです。この時忘れてはいけないのが、魚の身の水分を丹念にペーパータオルで拭き取ること。さらに魚は冷凍中にも水分が出てくるので、必ずキッチンペーパーなどに包み、保存袋に入れて中の空気をよく抜いてから冷凍して下さい。ラップでは水分が中にたまってしまい、魚には良くありません。冷凍した魚を解凍する時は、やはり冷蔵庫の中で。解凍中もこまめに水分を拭き取ることが大切です。
- 貝類の冷凍方法は
- アサリは何といってもダシが命ですから、一度茹でてしまうとせっかくの美味しい成分が流れ出てしまい、食べる時には美味しさが半減してしまいます。
アサリはカラ付きのまま生で保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍してください。そうすれば約10日は持ちます。使う時は凍ったまま鍋に入れても大丈夫です。しじみやはまぐりなども同じ方法で冷凍できますが、カキやほやなど、
生で食べる貝は冷凍には適しません。なるべく早目に使用してください。
- 野菜の上手な冷凍の方法は
- 野菜を上手に冷凍するコツは、空気をしっかり抜いて冷凍することです。
ご家庭でもしっかりと空気を抜くには、小型掃除機を使うと良いでしょう。
余った野菜をビニール袋に入れて、小型掃除機で空気を吸い取り、袋の口元を輪ゴムでしっかり止めれば大丈夫です。こうして冷凍しておけば、半年は持つでしょう。野菜の種類によっては、冷凍した方が調理しやすく手間が省け、
冷凍しても風味が損なわれずに栄養素が落ちないものがあります。
- ほうれん草
- 生で冷凍しても栄養が落ちにくいほうれん草は、よく水洗いして水滴がついたまま保存袋へ入れ、しっかりと空気を抜いて冷凍してください。
ほうれん草は、茹でるとビタミンなどの栄養素が流れ出てしまうので生で冷凍した方が良いんです。料理に使う時は、使いやすい大きさに切って、凍ったまま炒めてたり茹でてもOKです。 - アスパラガス、ブロッコリー
- よく水洗いしてから、使いやすい大きさに切って保存袋に入れます。
使う時は凍ったまま沸騰したお湯に入れるだけです。
1分ぐらいで茹であがります。 - ネギ
- 小口切りにして、約10分間水につけておきます。これは臭みとネギ独特のねばりをとるためです。その後水気をよくふき取ってから、保存袋に入れて冷凍してください。ネギも凍ったまま料理に使えます。
- 大根
- 水分が多いので、おろしてから冷凍しておくと何かと便利です。
大根おろしをよくしぼってから、小分けにしてラップに包み保存袋に入れて冷凍します。解凍は使う分だけ取り出して常温に置いてください。
冷蔵庫の野菜室では10日が限界でも、こうして冷凍すれば半年は持ちます。
- その他の冷凍方法
-
- カレー
- カレーを美味しく冷凍するにもポイントがあります。まず密閉容器に具を入れ、その上から具を覆うようにしてルーをかけます。
ルーの油分がジャガイモや野菜の水分を出しにくくしてくれます。
とくにジャガイモは冷凍すると水分が抜けてスカスカになるため、美味しくなくなるので、注意してください。しっかりとフタをして冷凍すれば、
1ヶ月は美味しく保存できます。 - スパゲッティ
- そもそも麺類にはコシを出すための成分グルテンが入っています。
このグルテンは冷凍しても成分が壊れにくいため、麺を凍らせてもちゃんとコシは保たれます。中でも冷凍に向いているのがグルテンの量が一番多いスパゲッティ麺です。スパゲッティを冷凍する際には、茹でた麺にオリーブオイルかサラダ油をかけてよく混ぜ、麺同士がくっつかないようにします。冷めたら保存袋に入れ、薄く平らにして冷凍します。調理するときは、凍ったまま熱したフライパンで油を引かずに炒められます。
今回はフードコンサルタントの初鍬一先生に、上手な冷凍テクニックをお伺いしました。
食費の節約に於いても、残った食材や特売日にまとめ買いした食材など、使いきれずに腐らせてしまっては意味が無いですよね。
プロの技で食材の鮮度や味を落とすことなく、冷凍庫を上手に活用していきましょう。
| 成戸有子 取材協力 初鍬一 |




